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【高性能住宅】栗東市|性能の比べ方。Ua値、Q値、ηA値、C値で賢く比較

こんにちは。私の名はティール教授。当研究室へようこそ。今日も私の研究課題である家づくりについて話していきましょう。

高性能住宅の性能を表す指標として、Ua値、Q値、ηA値、C値といった言葉を聞いたことはないでしょうか? 「専門用語だからよくわからない」「専門家に任せておけばいい」とスルーするのは危険です。業者は自分たちに不利な情報まで、あえて伝えてはくれません。

このコラムでは、できるだけ平易に、それぞれの値の意味と考え方を解説していきます。
簡単な概要だけでも頭に入れておけば、営業マンのセールストークにうなずくばかりでなく、ときには「あれ、おかしいぞ」と気づけるようになります。
本当に快適な高性能住宅を手に入れたいなら、自分たちでもできるだけ勉強しておきましょう。

[目次]

1. 意外とカンタン、4つの指標を解説      

【住宅全体の断熱性能を示す指標】

【家の気密性を示す指標】

【日射の影響を示す指標】

2. それぞれの理想の数値はどのくらい?

3. 高性能住宅は指標で比較しよう

意外とカンタン、4つの指標を解説

【住宅全体の断熱性能を示す指標】

Q値(キューち):家の中から熱が逃げる量(熱損失量)を、延べ床面積で割った値。熱損失係数。



Ua値(ユーエーち):換気の熱損失を除いた熱損失量を、床・壁・天井・開口部の面積の合計で割った値。外皮平均熱貫流率。



Q値とUa値は、どちらも住宅の断熱性能を示す指標で、数字が小さい方が性能がよいと言えます。異なる点は大きく2つ。

ひとつは、熱損失量に換気を含むかどうかです。Q値は換気による熱損失も含んだ計算になっているのに対し、Ua値は除いています。

もうひとつは、延べ床面積だけで割るのか、床・壁・天井・開口部の合計で割るのかの違いです。
Q値は延べ床面積だけで割るため、同じ条件で建てた家でも延べ床面積が広いと値が小さくなり、性能が高く評価されてしまいます。一方UA値では、壁や天井、窓などの開口部もすべて含めた数値なので、より公平な評価が期待できます。


2013年からはQ値に代わってUa値が省エネルギー基準を達成しているかどうかの基準となりました。
ハウスメーカーや工務店を検討する際の材料とするなら、条件によって数値が変化するQ値ではなく、Ua値で比較するのがおすすめです。換気システムも加味したうえでの断熱性能の評価が知りたい場合に、Q値を参考にするとよいでしょう。



【家の気密性を示す指標】


C値(シーち):どれくらい家にすき間があるのかを数値で表したもの。相当すきま面積。


家の性能を計る際にUA値と合わせて重要になるのが「C値」です。数字が少ないほど、すき間が少なく気密性能が高いことを表します。
いくら断熱性能の高い材料を使っていても、すき間だらけでは、寒い日に穴の空いたダウンジャケットを着ているようなもの。C値は住宅の性能を表す、重要な指標と言えます。

しかしハウスメーカーや工務店では、Ua値についてはアピールがあっても、C値についてはあまり積極的に触れてこないかもしれません。それは、C値は業者にとってとても厄介な指標だから。

というのも、Q値やUa値は、計算すれば算出することができるのですが、C値は計算では算出できません。C値は、実際に建てられた建物で、気密測定用の機械を使って行います。家ができあがってから初めて測ることができるため、業者にとって不確定要素がとても強いのがC値なのです。

職人の技術のよしあしや、施工の丁寧さに左右されるC値には、業者の家づくりに対する姿勢も表れます。ハウスメーカーや工務店を検討する際には、必ずC値についても確認しておきましょう。「高気密だと息がつまりますよ」などとごまかす業者は、候補から外すことを強くおすすめします。



【日射の影響を示す指標】


ηA値(イータエーち):家がどれだけ日射熱の影響を受けるかを示す。平均日射熱取得率。
ηA値は窓や外壁、屋根などからの日射熱を、建物の外皮面積(外壁、屋根、床などの表面積)で割った数値。ηAC値は冷房期、ηAH値は暖房期における平均日射熱取得率を表します。
とくにηAC値が高いと、夏に太陽光の影響を受け、家の中が暑くなりやすいことを表します。逆にηAC値が低ければ、夏の冷房効率が高いことがわかります。

それぞれの理想の数値はどのくらい?

基準になるのは、平成28年省エネ基準の数値です。
地域によって異なりますが、仮に日本のおおよそを占める5、6地域(関東・東海・近畿・中国・四国・九州の一部など)を例にとると、以下のようになっています。

5地域・・・Ua値:0.87以下、ηA値:3.0以下

6地域・・・Ua値:0.87以下、ηA値:2.8以下

ただし、この数値を下回っていれば充分安心できる、というわけではありません。日本の水準は、世界基準と比較するとまだまだ甘いものとなっています。あくまでもこれは最低基準と考え、できるだけ低い数値を目指してください。

C値に関しては、一般的な住宅のC値が10平方センチ/平方メートル程度と言われます。これは住宅にそうとうなすき間があり、夏に外の熱気が入り込んだり、冬には暖かい空気が逃げやすい状態です。
住宅の断熱性能をじゅうぶん引き出すためには、C値は1.0未満、できれば0.5以下を目安にしていただきたいと思います。

ちなみにフィックスホームでは、0.5以下を合格ラインの基準にしています。

高性能住宅は指標で比較しよう

Ua値、Q値、ηA値、C値・・・。専門用語が並びましたが、これらは高性能住宅を評価する標準となる数値です。住宅会社を比較する時は、必ず確認するようにしてください。こちらの質問に対し、あいまいな返事をする会社は要注意です。


特に、計算では算出できないC値に関しては、計測していない、公表していないなど、いろいろな理由で明確な答えを避けようとするかもしれません。そんなときもしっかり納得できるまで質問し、納得できなければ候補から外すことをおすすめします。


さてUa値、Q値、ηA値、C値、すべてに共通するのは「数値が小さいほど温熱性能に優れている」こと。数値の目安についても上記で簡単にお伝えしましたが、私たちの住む滋賀県においてはどうなのでしょうか。標準的な数値は次回のコラムでご紹介していきます。

さらに研究を重ねる

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