先ほどもお伝えしたように、1階にファミリークローゼットのある間取りのメリットは非常に多い反面、合わせて考えておかなければならないのが、設置を検討する上での注意点やデメリットです。
1階にファミリークローゼットを設置する上で、最もネックになるのが、1階の建物面積が大きくなりがちであるということです。皆さんもご存知のように、1階部分の面積が大きくなるということは、基礎の面積が大きくなるため、建築費のコスト増につながります。
合わせて、従来は2階に設置することの多かった、3畳~4畳のウォークインクローゼットのスペースが不要になったことで、1階の面積に比べて2階の面積がコンパクトになりすぎ、下屋が多く出来てしまうと、これも建築費のコスト増につながってしまいます。
だからと言って、1階が大きくなった分、総2階建てに近づけようと、2階の各部屋を必要以上の面積を取ってしまったら、純粋に建物が大きくなってしまうため、こちらもコスト増につながりやすくなります。その一方で、1階にファミリークローゼットを設置した上で、面積をコンパクトに抑えようとすれば、ファミリークローゼット以外のスペースを削るしか方法がありません。
そこで検討していただきたいのが、従来2階に設置していたようなウォークインクローゼットのサイズ感ではなく、少しコンパクトなウォークインクローゼットを1階に設けるという方法です。
つまり、2階にも本来のクローゼットやウォークインクローゼットはあるものの、1階には出来る限り、必要な衣服だけに厳選して収納するという方法です。具体的には、2畳程度の小さめのウォークインクローゼットを設置し、そこにご家族全員分の頻繁に着る衣類だけを収納するというイメージです。そうすることで、1階の面積が大きくなり過ぎることを極力抑え、毎日のように着る服と、週末や季節の違う服は2階に収納されているという仕分けもしやすくなります。