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家づくり研究室

【間取り】寝室の広さの正解とよく眠れる寝室のポイント

こんにちは。私の名はティール教授。当研究室へようこそ。今日も私の研究課題である家づくりについて話していきましょう。

広々とした寝室、必要最低限の狭い寝室、部屋の大きさの好みは人それぞれですが、寝室という寝ることを主目的とした部屋は、広すぎても狭すぎても使いにくいものとなってしまいます。合理的な、ちょうどいい部屋のサイズをみつけるヒントは、910mmと455mmの組み合わせにあります。



今回のコラムでは、寝室の広さの正解と睡眠に適した寝室の環境づくりのポイントについて詳しくお伝えします。

[目次]

1.そもそも寝室の広さの正解は?

2.寝室は広いと持て余してしまう

3.寝室は狭いと融通がきかない

4.夫婦2人なら6.3畳がちょうどいい

5.寝室もこども部屋も広くなくていい

6.寝室をよく眠れる環境にするためのポイント5つ

7.ちょうどいい広さの寝室で快適な眠りを



そもそも寝室の広さの正解は?

寝室の間取りは広いもので7.5~8畳(12.4~13.2m²)、狭いもので4.5畳(7.4m²)が一般的です。しかし、寝室は広くても狭くても使い勝手が悪い部屋になってしまうため、ちょうどいいバランスの広さにすることが重要です。詳しくみてみましょう。



寝室は広いと持て余してしまう

7.5~8畳(2,730mm×4,550mm~3,640mm×3,640mm)という広さは、シングルベッド2台もしくはダブルやクイーンのベッドを置いても十分な余裕があります。余ったスペースに収納を作ったりドレッサーや小型のソファーなどの家具を置いたりと、寝室プラスアルファの使い方ができます。しかし、寝室は寝る場所ですから、実際は就寝時間までリビングやダイニングで過ごすという人が大半です。広い寝室は思いのほかスペースを有効活用できず持て余してしまうのです。



【一般的なベッドの幅】※長さは共通して2m

 •シングル:1m

 •セミダブル:1.2m

 •ダブル:1.5m

 •クイーン:1.6m

 •キング:1.9m

 •スーパーキング:2.1m



寝室は狭いと融通がきかない

広い寝室に対して、4.5畳の寝室はベッドだけでスペースの大部分が埋まってしまうため無駄がなく、合理的で低コストです。ただし、スペースにゆとりがないため融通がきかないという面があります。



例えば、夫婦でダブルベッドを使用する場合。ダブルベッドの一般的な大きさは【幅1.5m×長さ2m】ですから、4.5畳(2,730mm×2,730mm)の部屋の中心にベッドを置くと、ベッドの両サイドに余るスペースは約615mmずつです。これだけのスペースがあれば人は通れるため、ベッドメイキングは可能ですし壁際にベッドを寄せれば1m以上のスペースが余るため、生活する上でとくに問題はないでしょう。



しかし、困るのはダブルベッドではなくシングルベッドを2台置いたときです。若いときはダブルベッドで2人一緒に寝ることが平気でも、年を重ねると夫婦で就寝時間が違ったり、夜中にトイレに起きたりと、同じベッドで寝るよりもベッドを分けた方が、都合がいいケースも少なくありません。



シングルベッドの一般的な大きさは【幅1m×長さ2m】ですから、2台分の幅は2mにもなり、部屋の中心に2台並べて置くとことは現実的ではありません。ベッドを部屋の両サイドに置くか、壁際に2台並べて置くという配置になるでしょう。壁際に2台並べて配置した場合、壁寄りのベッドを使用する人はベッドの上を移動する必要があります。年をとったときにこの動作を負担に感じる可能性があります。また、ベッドの向きを変えるときも苦労するため、狭い部屋では折り畳みベッドのほうが便利でしょう。



夫婦2人なら6.3畳がちょうどいい

前述の通り、寝室は広くても狭くても使いにくいものになります。そこでおすすめしたいのが夫婦2人の場合、6.3畳という広さです。建築では計算の効率化のため、部屋の寸法を910mmの倍数で計算します。4.5畳(2,730mm×2,730mm)も910mmの倍数であり、この寸法に910mmの1/2を足した(2,730+455)mm×(2,730+455)mmの広さ、面積で表すと約10.1m²=約6.3畳です。



この広さであればセミダブル(幅1.2m)のベッドを2台並べても通路が確保でき、ベッドメイキングが可能です。広すぎてスペースを無駄にすることがなく、狭すぎて融通がきかないということもありません。まさにちょうどいい広さというわけです。



寝室もこども部屋も広くなくていい

寝室だけでなく、こども部屋も主に寝るための部屋といえます。家づくりのコストは面積と比例するため、寝室やこども部屋といったプライベートルームの面積を節約することはコストを抑える上で有効です。



こども部屋の場合、狭いものでは4.5畳が一般的ですが、3.2畳に抑えることも可能です。これは前述した910mmの倍数とその1/2を使い、(1,820mm+455mm)×(1,820mm+455mm)=2,275mm×2,275mm、面積で表すと5.2m²=3.2畳です。この広さであればシングルベッドと学習机がきれいに収まります。いい意味でスペースに余裕がないため集中して机に向かえますし、机の大きさによっては小型の棚を置くことも可能です。ただし、クローゼットなどの収納スペースは確保できないため、収納付きベッドやロフトベッド、ウォールハンガーを設置するか、別に収納を作るなどの工夫が必要になります。



「寝室やこども部屋は寝る場所」と考えれば必要以上の広さにすることがなく、節約したスペースを他のことに活用したり、コストカットしたりできます。ぜひ間取りを考える際の参考にしてみてください。



寝室をよく眠れる環境にするためのポイント5つ

寝室の広さに続いて、寝室の環境を整えるポイントについてみてみましょう。ポイントは大きく5つあります。


①温度と湿度

寒くて(暑くて)就寝中に目が覚めた経験は誰しもあると思います。また、トイレなどで一度目が覚めるとその後しばらく寝付けず、朝までに疲れがとれていないという人もいるでしょう。これは室温が最適でないことが原因です。体がリラックスして眠りにつきやすく、睡眠の質が向上する室温の目安として、冬は18~21℃、夏は24~26℃が推奨されています。また、最適な湿度は40~60%といわれています。



エアコンによる温度管理が省エネでおすすめですが、冬は空気が乾燥しやすいため加湿器の併用が望ましいです。加湿器には4種類あり、それぞれ特徴があるため自分に合ったものを選びましょう。

②寝具の軽さ

いまは軽い羽毛布団が主流ですが、昔は真綿でできたずっしりと重い綿布団が使われていました。羽毛布団は保温性や通気性に優れ、軽量でやわらかいため寝返りがしやすく快適に眠ることができます。対して綿布団は、羽毛布団と比較すると保温性、通気性が劣ることに加え、厚みと重量があるため寝返りに力を要します。体がリラックスして深い睡眠をとれるよう、羽毛布団の使用をおすすめします。



③換気

室内の空気を新鮮な空気と入れ替えるために換気はとても重要です。換気不足の室内は酸素濃度が低下し、二酸化炭素濃度と湿度が上昇することで、就寝中に目が覚めたり不快感を覚えたりして快眠を妨げてしまいます。



そんな大切な役割を担うのが部屋の給気口ですが、その位置に注意しなければなりません。給気口の真下にベッドがあると、降りてくる冷気で冷えを感じてしまうため、ベッドと給気口は離れていることが理想です。給気口に限らず、窓も同様に冷気が降りてくるため、ベッドのそばに窓がある場合は長めのカーテンや窓用ヒーターを使用するとよいでしょう。



④光

寝室の照明は暖色がおすすめです。目に対する刺激が少なく眠気を誘いやすい他、やわらかい暖色の光は落ち着いた雰囲気を演出し、リラックス効果をもたらします。リラックスすることで睡眠に関わるメラトニンというホルモンの分泌が促されるため、快眠が期待できます。ただし、就寝中に光を感じると脳が覚醒し深い眠りを妨げてしまうため、就寝中は照明を消し遮光カーテンを閉めて部屋を真っ暗にするほうがよいでしょう。朝、部屋が真っ暗だと起床できない、窓から入る太陽の光で起床したいという人は、タイマー機能付きのカーテンを自動開閉できる家電がありますので、購入を検討してみてください。



⑤色

質のよい睡眠をとれるよう、寝室の壁紙やカーテンもリラックスできる雰囲気のものにそろえることがおすすめです。例えば、やわらかいパステルカラーや自然にある色には心身をリフレッシュしたり、ストレスを緩和する効果があります。とくに、海や空の色であるブルー系、植物の色であるグリーン系が睡眠に適しているとされています。他にも深みのあるネイビー系はリラックス効果が期待できます。



一方で、寝室に不向きといわれているのは、ネオンカラーやビビッドカラーなどの鮮明な色や派手な模様です。目から入る刺激が多く、入眠を妨げる可能性があるため避けた方がよいでしょう。



ちょうどいい広さの寝室で快適な眠りを

寝室は広すぎず狭すぎない広さが低コストかつ合理的です。夫婦2人なら6.3畳程度の広さがあれば十分。寝室に限らず、部屋の大きさに迷ったときはぜひ910mmと455mmという2つの数字を意識して考えてみてください。



また、睡眠は人生の多くの時間を占め、心身の健康維持には良質な睡眠が欠かせません。寝室の環境を整えるための5つのポイント【①温度と湿度②寝具の軽さ③換気④光⑤色】をぜひ取り入れて、快眠できる寝室をつくってくださいね。



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